病院で働く介護士の役割や仕事内容を徹底解剖!

介護士の活躍の場所というと老人ホームなどの施設を思い浮かべる人が多いでしょう。
実は、病院でもたくさんの介護士が働いています。
しかし、病院では介護士はどのような役割を担い、どんな仕事をしているのでしょうか。
今回は、病院で働く介護士の役割と仕事内容を徹底解剖します。

この記事を書いた人

藤沢このは
介護福祉士
接客業や飲食業のバイトを長年続けていたが、バイト先が閉店となったのを機に誰かの役に立つ仕事をしたいと介護の世界に飛び込む。
病院で10年、老健で5年働く。
平日の休みには一人カラオケでストレス解消するのが一番の楽しみ。

病院と介護施設は何が違う?

病院と介護施設には大きく分けて次の3つの違いがあります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

病院と介護施設では利用目的が違う

病院と介護施設の最も大きな違いは、それぞれの利用目的です。

病院は、病気やけがをしている人が治療を行ったり回復するために利用する施設です。
病院では、入院している人が治療を終えて回復すると退院となります。

一方、介護施設では、入所している人の生活支援を目的としています。
介護を必要としている人が施設で自分らしい生活を送れるよう、それぞれの状態に合わせた個別の対応が行われることも多いでしょう。
施設は種類によって、終の棲家としての役割を持っているところもあれば、自宅への生活を目標とした支援を行うところもあります。

介護士の持つ役割が違う

病院と介護施設では、介護士の持つ役割も違います。

病院では、介護士はあくまで補助的な役割を担います。
病院の介護士は、患者さんが回復に向け適切な治療が受けられるよう支援します。
具体的には、患者さんが治療に専念できるよう、身の回りのお世話を行ったり看護師のサポートを行うことが、病院の介護士に求められます。

一方、介護施設の介護士には主体的な役割が求められています。
介護士は入居者一人ひとりに関わりながら、その人らしい生活が送れるよう支援します。
入居者さんのお部屋にはなじみのある物を配置して安心できる環境を作ったり、季節イベントやレクリエーションを開催することで生活が単調にならないようにしています。

介護士の仕事内容が違う

病院と介護施設では、介護士の仕事内容に一部違いがあります。
病院はあくまで治療の場であるため、患者さんがベッド上で過ごす時間は施設に比べると多くなります。
病棟によって違いはあるものの、食事をベッド上で摂ることも少なくありません。
食堂が用意されている病院であっても、病状が安定している人や自分で移動ができる人に限られていることもあります。
そのため、自分で歩けなかったり立ち上がることが難しい人を車いすやベッドに移乗する回数は1日数回ということがほとんどです。

一方、介護施設は生活の場という特性上、食事や排泄はベッドから離れた場所で行うのが基本となっています。
毎食時の車いすへの移乗やトイレ誘導など、入居者さんに直接関わる介護業務に非常に多くの時間をかけることになります。

病院と介護施設の仕事内容で最も大きく違うのは、レクリエーションや行事に関わる仕事です。

病院ではレクリエーションが行われることは稀です。
一般病棟ではまず行われることはありません。
私が勤務していた病院では、療養型病床で平日にラジオ体操を行う程度でした。
そのため、レクリエーションの企画や実施といった仕事はほぼありません。

一方、介護施設ではレクリエーションは日曜日を除いて毎日行っています。
季節行事も近隣住民の方にも参加しやすいよう、出店を多く出したり出し物やイベントを開催するなど、しているところが多いでしょう。

私が以前勤めていた施設では、近隣の保育園児や幼稚園児による出し物や地域ボランティア団体によるパフォーマンスを行ってもらうために、介護士が主体となって計画を立案しそれぞれの団体との交渉や打ち合わせなども行っていました。
つまり、レクリエーションや行事の企画や実施という業務は、介護施設の介護士ならではの仕事と言えるでしょう。

病院で働く介護士の勤務体制を知ろう

病院の介護士にはどのような働き方があるのでしょうか。

ほぼ全ての病院で、介護士は正社員としての募集があります。
正社員の場合は、多くの病院で交代制勤務がとられています。
日勤と夜勤の2交代制の場合や早出・日勤・遅出・夜勤の4交代など、病院によってさまざまな交代制勤務となっています。
また、病院によっては、看護学校に通いながら正社員の介護士として働いている人もいます。
私が病院で働いていたときには、介護士は早出・中出・遅出・夜勤の4交代でした。

病院の介護士はパート勤務の人も多く働いています。
午前中のみの短時間勤務や日勤のみ等、自分の生活に合わせた働き方をしている人もいます。
ただし、介護施設のように夜勤専従の介護士はほとんどおらず、夜勤は正社員の介護士のみというところが多いでしょう。

さらに、派遣社員として働いている人もいます。
派遣写真の場合は、派遣会社との契約によって勤務体制に違いがあるものの、夜勤をやることはほとんどありません。
仕事内容はほとんど正社員とかわらないでしょう。

病院の介護士はどんな仕事をするの?

病院の介護士が行う仕事には、患者さんの体に直接触れて行う介護業務やシーツ交換や病室の掃除などの身の回りのお世話、そして看護師の補助業務の3種類があります。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。

介護業務

介護業務では、排泄や入浴の介助、食事介助、体位変換などを行います。

寝たきりの患者さんの場合には、点滴や経管栄養、酸素マスクなど医療機器を使用していることもあるため、安全面から二人でおむつ交換や体位変換などを行います。
少し動ける人の場合には、ベッド横にポータブルトイレを設置したり、介護士が付き添ってトイレの誘導を介護士が行っています。

入浴は、寝たきりの人が入る機械浴と、ある程度自分で動ける人や座った姿勢が保てる人が入る介助浴があります。
機械浴は介護士が二人で寝たきりの人の洗髪や洗体を全介助で行うため、細心の注意を払う必要があり体力も必要です。
介助浴では、患者さんが数人ずつ一緒に入るため、事故のないようしっかりと見守る必要があります。

身の回りのお世話

病院では、シーツ交換や居室の掃除などの身の回りのお世話も介護士が行うことが多いでしょう。
寝たきりの患者さんが多い病院では、ベッド上に寝たままの状態でシーツ交換を行うことも少なくありません。
呼吸器を使用していたり心電図モニターなどがついている場合には、チューブなどをひっかけて外してしまうと命に関わることもあります。

病院では、何らかの治療を必要とする人が多く入院しているため、身の回りの清潔を保つ必要があります。
私が病院で働いていたときには、拭き掃除の際には消毒も一緒に行っていました。
ノロウイルスなど感染力の強い病気がはやった時には、さらに徹底した消毒を行うのも介護士の仕事となっていました。

看護師の補助業務

病院ならではの介護士の仕事に看護師の補助業務があります。
具体的には、経管栄養のボトルを洗浄したり、病室から検査室、リハビリ室までの付き添い介助などを行います。

私が働いていた病院では、患者さんに排便状況の確認や、バルンカテーテルが挿入されている患者さんの尿量を看護師が確認した後の回収などを介護士が行っていました。
所属する病棟によっては、介護士がカルテ記入を行う場合もあります。

介護士が病院で働くメリット

病院で働く介護士には、次のようなメリットがあります。

医療知識が身につきやすい

病院には医療ケアが必要な人が多く入院しています。
そのため、施設では見ることのできない医療行為やリスク管理を間近で学ぶことができます。

私が働いていた病院では、看護師が褥瘡の処置を行う際に患者さんの体を支えるなどしていたため、実際の医療行為を目の前で見る機会がとても多かったです。
日勤帯だけでなく夜勤帯での急変時対応にも何度か遭遇したため、いざというときにはどのように動くべきかを学ぶ機会が非常に多かったです。

施設に比べると待遇が良い

病院を運営している主体はほとんどが医療法人です。
医療法人は、民間法人が運営することが多い介護施設に比べると経営が安定しています。
そのため給料が安定していたり、夜勤手当が施設に比べて高いなど、待遇が良いところが多いでしょう。

また、医療費の補助が出るなど医療法人ならではの福利厚生が充実しています。
私が病院で働いていたときには、働いている病院で診察したときや入院したときには、医療費が戻ってきてとてもありがたかったです。

託児所を併設しているところが多い

病院では多くのママさん看護師が働いていることもあり、託児所を併用しているところが多くあります。
託児所を併用していなくても民間の保育施設と提携しているところも。
夜勤に対応している託児所も多く、夜勤帯でも安心して預けることができます。
幼稚園との併用や、日祝日や夜勤のみ利用する職員もいます。

私も幼稚園と併用していましたし、シングルマザーの後輩は託児所完備が決め手となったと言っていました。

未経験や無資格者でも雇用されやすい

病院の介護士は補助的役割を主に担っています。
そのため、未経験者や無資格者の募集も多くなっています。

私が病院に入社したときにはホームヘルパー2級資格保持者が条件でしたが、未経験者は歓迎されていました。
入社後数年で無資格者の雇用も解禁され、後輩には未経験の無資格者が多く入社しています。

お試しで1日から数日体験ができる病院も増えてきているため、体験してから入社を決めるというのも良いでしょう。

介護士が病院で働くデメリット

介護士が病院で働くデメリットにはどのようなものがあるでしょうか。

看護師に見下されることがある

病院での介護士の仕事は、看護師の補助的業務が主となります。
そのため、看護師の中には介護士を見下している人もいます。
介護士が忙しく働いているにも関わらず、状況を見ずに仕事を押し付けてくる看護師がいたり、「介護士は看護師より下なんだから言うことを聞くのは当たり前」と発言する看護師もいます。

しかし、そのような看護師は一握りであり、多くの看護師は介護士と協力しながら仕事を行っています。
見下す看護師のことにとらわれることなく日々の業務を頑張っていれば、必ず正しい評価は得られます。
見下す看護師を気にすることなく仕事をすることが大切と言えるでしょう。

介護士としてのやりがいを感じにくい

病院での介護業務はレクリエーションや行事などが少なく単調になりがちです。
全体的な業務も看護師の助手的役割が多く、介護士が主体となって働くことは稀です。
そのため介護士としてのやりがいを感じにくく、辞めていく介護士も多いでしょう。

私も一般病棟に勤務しているときには、何度も辞めたいと思っていました。
しかし、この病棟だからこそできることを一生懸命やることで学べることもたくさんありました。
やりがいを感じにくいときには、今だからできることを考え実行することが大切です。

出世しにくい

病院では介護士は役職に就くことは稀です。
そのため、介護士として上に立ちたい人にとって病院勤務は向かないといえるでしょう。
ただし、介護に必要な医療知識を学ぶ場所として病院は最適です。
将来的に出世を考えている人は、病院で経験を積み施設等への転職を考えると良いでしょう。

医療知識のある介護士は転職に有利

病院での介護士の役割は補助的であり、施設に比べて介護士としてのやりがいは感じにくいでしょう。
しかし、病院では施設では学ぶ機会の少ない医療知識を目の前で見ながら学ぶことができます。
医療知識を持つ介護士は施設で優遇されることが多く、施設への転職では有利に働く可能性が高くなります。
介護士としてステップする場として考えれば、病院勤務は介護士にとってメリットの大きい職場と言えるでしょう。

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