病院の看護助手としての経歴は介護の実務経験になる?

介護福祉士の国家試験を受ける際に必要となるのが、介護職としての実務経験です。
介護施設で働いていれば実務経験は認められます。
しかし、病院の看護助手として働いている場合には、実務経験になるのか不安に思う人もいるのではないでしょうか。

実は、看護助手は業務内容によって介護の実務経験が認められています。
そこで今回は、病院の看護助手と介護の実務経験の関係性を解説します。

病院の看護助手と介護実務経験のこれまで

病院の看護助手が介護福祉士になるためには、介護実務経験が必要となります。
介護実務経験として認められるには、法律で決められた施設や病院で働かなければなりません。

このうち病院での勤務は、2015年度まで療養病棟を持つ病院などの限られた病院のみ実績として認められていました。
そのため、一般病棟や精神科での勤務実績は、その仕事内容が療養病床などと同じ内容であっても介護実績として認められず、介護福祉士の試験を受験できないことに悩む人が多くいました。
以前、私が働いていた病院に勤務していたAさんもそのうちの一人です。

事例

Aさんは、私と同じ病院で働く以前は別の病院の一般病棟で3年ほど働いていました。
その病院に入社した当初は介護の仕事に興味がなかったものの、働いているうちに介護の仕事が好きになり介護福祉士を目指そうと決意。
その旨を上司に相談したところ、一般病棟では介護の実務経験として認められないことを初めて知ることになりました。
その病院には療養病棟がなかったため、将来を考えAさんは私の働いていた病院に転職することにしたそうです。
面接の際にそのことを伝えていたAさんは、療養病棟へ配属され介護の実務経験を積み無事に介護福祉士となりました。
現在もその病院で介護福祉士として活躍しています。

看護助手でも介護実務経験が認められる病院とは

看護助手でも介護実務経験が認められるためには、次の2つの条件を満たす必要があります。

  • 受験資格となる病院に勤務していること
  • 主たる業務が介護であること

この2つについて詳しく見ていきましょう。

受験資格となる病院に勤務していること

2016年に介護福祉士法の改正があるまでは、介護実務経験として認められる病院は療養病棟などに限られていました。
しかし、法改正後は多くの病院の看護助手が勤務実績を介護実務経験として認められるようになりました。
具体的には、以下の6つの病院が対象となっています。

  • 指定介護療養型医療施設(療養病床等に限る)
  • 老人性認知症疾患療養病床
  • 介護力強化病床により構成される病棟または診療所
  • 精神病床により構成される病棟または診療所
  • 療養病床により構成される病棟または診療所
  • 一般病床により構成される病棟または診療所(その他の病床であった期間を含む)

勤務している病院が対象になるかどうかわからない場合には、勤務先の上司や事務局に確認しましょう。

主たる業務が介護であること

先ほど説明した病院で働いていても、介護業務が主でない場合には介護実績として認めてもらうことができません。
では、どのような仕事が介護業務になるのでしょうか。
ここでいう介護業務とは、患者さんに直接行う身体介護や認知症に関わる介護などが該当します。
具体的には次のようなものが介護業務として認められます。

  • おむつ交換やトイレ誘導などの排泄の介助
  • 機械浴や介助浴などの入浴の介助
  • 食事の介助
  • 移動や移乗の介助
  • 着替えの介助
  • 歯磨きなどの口腔ケア
  • 体位交換
  • 電気カミソリを使用した髭剃り

病院勤務で看護助手がよく行う業務では、バルンカテーテルを挿入している患者さんのバッグ内の尿破棄やポータブルトイレの洗浄も介護業務として認められます。
また、ベッド上に患者さんがいる状態でのシーツ交換や、入浴しない場合に行われる全身清拭なども介護業務となります。

病院の看護助手としての経験が介護実務経験として認められない場合

多くの病院で看護助手が介護の実務経験を認められる一方、間接的な介護業務のみに携わっている場合には介護実務経験が認められない場合があります。
具体的には、以下の3つの仕事が主たる業務である場合には、介護の実務経験として認めてもらうことができません。

  • 検体の運搬のみを行うクラーク業務
  • 空床時のベッドメイキングなどを行うリネン業務
  • 病室や病棟内の清掃を行うクリーン業務

これらの業務を主で行っている人が介護福祉士を目指すために介護の実務経験を得るには、次の2つの方法を試してみるとよいでしょう。

配置転換を申し出る

クラーク業務やクリーン業務を主に行っている人の場合、上司に配置転換を申し出ることで直接介護に関わる看護助手に慣れる可能性があります。
なぜなら、多くの病院にクラーク専門スタッフやクリーンスタッフが存在しているため、職種次第で介護の実務経験を積むことができるからです。

実際に、私の勤務していた病院にもクリーンスタッフをしているうちに介護業務に興味を持ち、看護助手として配置転換されたBさんという人がいました。
Bさんは順調に介護の実務経験を積んで3年後には介護福祉士試験に合格、介護職として活躍しています。

配置転換が難しければ転職も一つの手

リネン業務を専門に行うスタッフがいる病院の多くは、大学病院のような急性期医療を行っている病院です。
急性期医療の病院でも回復期病棟などを持っている場合には、看護助手への配置転換が叶うこともあります。

しかし、看護助手自体が勤務しておらず看護師が介護業務にあたる部分を兼任している病院の場合には、配置転換は望めません。
また、クリーンスタッフは外部委託しているところも多く、雇用先が病院でない場合には配置転換ができません。

このような事情により配置転換が難しい場合には、転職するのも一つの手です。
介護福祉士を目指すのであれば、介護実務経験として認められる病院や介護施設へ思い切って転職を検討してみるのも良いのではないでしょうか。

コメント一覧

この記事へのコメントはありません。

コメントする