施設の夜勤勤務で介護士はどのような仕事をしているの?

施設で働く介護士にとって、夜勤は不安なことの一つです。
特に、まだ夜勤を経験したことのない人にとっては、どのような仕事をするのか想像もつかないという人もいるのではないでしょうか。
そこで、今回は施設の夜勤について、詳しく解説していきたいと思います。

施設での夜勤勤務の実態を知ろう

介護施設での夜勤勤務は、実際にはどのようになっているのでしょうか。
夜勤者の人数や回数、交代制や休憩時間について詳しく見ていきましょう。

夜勤者の最低人数は介護保険法で決められている

介護施設の夜勤で必要な最低人数は介護保険法により決められています。
また、介護報酬では夜勤職員配置加算というものがあり、最低基準値より1以上多い人数を確保した場合に報酬が増える仕組みがあるため、実際には最低基準より一人多い人数で夜勤を組んであることが多いでしょう。
介護施設の種類によっても人員基準は変わります。
それでは、介護施設ごとの違いについてみていきましょう。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームでは、全体の人員配置数が利用者3人に対し介護士もしくは看護師が1名必要です。
夜勤帯の場合は、入居者数によって以下のように決められています。

入居者数 最低夜勤者数
~25名 1名
26~60名 2名
61~80名 3名
81~100名 4名
101名以上 5名+(入居者-100)÷25名以上

なお、ユニット型の場合には1ユニット1名以上、3ユニットでは2名以上の夜勤者を配置しなくてはいけません。

介護老人保健施設

介護老人保健施設でも、全体の人員配置数は特別養護老人ホームと変わりません。
ただし、看護師と介護士の割合についても規定があり、看護師は全体の2/7、介護士は5/7と決められています。

夜勤者は入居者20名に1人以上となっています。実際は、多くの施設で看護師と介護士がペアとなって2名体制で夜勤を行うことが多いでしょう。
私が働いていた介護老人保健施設では、看護師と介護士一人ずつで夜勤を行っていました。

なお、40名以下の施設の場合には、緊急の連絡体制を常時整備していれば1名以上でよいとされています。また、ユニット型の場合には、2ユニット毎に一人以上の夜勤者が必要です。

有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームの場合も、要支援2以上の入居者3人に対し看護師または介護士が1人の割合で必要です。
要支援1の入居者の場合には10人に対し1人の割合となっています。

ただし、介護保険法では介護付き有料老人ホームは「一人の要介護者に対し、常に介護士が1人以上配置されていること」と明記されているため、小規模の施設では夜勤が一人体制のこともあります。

なお、介護付き以外の有料老人ホームの場合には「入居者の実態に合わせて夜間の介護や緊急事態に対応できる数の職員を配置すること」と介護保険法にあり、人数までの記載はされていません。

グループホーム

認知症の人を対象にしたグループホームでは、1ユニットに1人以上の夜勤者が必要と決められています。
ただし、利用者の処遇に支障がなければ1ユニットに限り他のユニットの職務に従事できるという規定があるため、3ユニットでは2人以上でも可能となっています。

夜勤の回数と交替制、休憩時間

一人が行う夜勤の回数は、働く施設によって差があるものの、月に4~8回が主流です。

また、多くの施設では日勤と夜勤の2交替制がとられていますが、3交替の施設もあります。

2交替制の場合は夜勤の勤務時間は16時間で、規定されている休憩時間は2時間となっています。
ただし、一人夜勤の場合には思ったような休憩が取れないといった声も聞かれます。

介護士の夜勤、実際の仕事内容を見てみよう

それでは、実際に介護士が夜勤帯でどのような仕事をするのか、時系列に沿ってみていきましょう。

16:30 出勤・引継ぎ 日勤者から昼間の入居者の様子や体調などの情報を共有し、夜勤帯に備えます。
18:00 夕食 夕食の準備や配下膳を行います。 必要に応じて食事介助や服薬の介助もします。
20:00 就寝準備 トイレ誘導やおむつ交換、着替えなどの介助を行います。 寝る前に薬を飲む人には、服薬の介助もします。
22:00 消灯 このあと、2時間ごとに巡視を行います。 巡視時には、体調や様子に変わりがないか、呼吸状態などを観察します。 夜間に体位変換やおむつ交換、トイレ誘導が必要な人にはそれぞれ介助を行います。
23:00 記録など 巡視の合間を見て、カルテなどの記録を行います。
3:00 休憩、仮眠 複数で夜勤を行う場合には、交替で休憩や仮眠を取ります。
6:00 起床の介助 洗面を行ったり、トイレ誘導、おむつ交換などを行います。 朝食のために着替えや移乗、移動の介助もします。
8:00 朝食 朝食の準備や配下膳を行います。 必要に応じて食事介助や服薬の介助をします。
8:30 申し送り・退勤 日勤者に夜勤中の様子について申し送りをします。

介護士の夜勤勤務のメリットとデメリットを知ろう

介護士の夜勤勤務には、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。

メリット

夜勤勤務最大のメリットは、夜勤手当がつくことです。
地域や施設によって違いがあるものの、夜勤手当がつかないことはありません。
そのため、夜勤を行う人はしない人に比べて手取りが高くなります。

また、多くの施設で夜勤が明けた次の日を休みにしているため、実質2連休を取ることができます。
私が働いていた施設でも、夜勤明けの次の日は休みでしたので、ゆっくりと体を休めることができました。

特に、夜勤は1回の出勤で2日分の勤務と換算されるため、夜勤をしている時の方が日勤ばかりの仕事に比べて出勤日数が少ないように感じられます。

デメリット

夜勤勤務のデメリットは、少ない人数で多くの入居者を見ないといけないことです。
寝ている時間が多いとはいえ、夜勤帯になると徘徊したり興奮する人もいます。

また、少ない人数で仕事をこなすため、目が行き届かず転倒などの事故が起こりやすい時間帯ともなってしまいます。

特に、急変時には冷静な対処が求められるため、経験が浅いと戸惑いがちです。
一人体制の夜勤で緊急事態が起こった時には、夜勤者に全ての責任がかかってくることもあるでしょう。

夜勤では、いざというときに適切な行動が行えるよう、普段から緊急時の対応についてしっかりと頭に入れておいたり、対応策を見えるところに貼っておくなどの工夫が必要です。

夜勤専従という働き方もある

介護施設では、夜勤を専門に行う「夜勤専従」という働き方もあります。
正社員ではないことが多いものの、学校に通っている人や家族の都合などで日中の仕事が難しい人、ダブルワークをしている人には人気の働き方です。

夜勤は、勤務時間が長いため1回の勤務で2日分とカウントされます。
そのため、出勤日数が少ない割に待遇は良いことが多いでしょう。

私の知人には、夢を叶えるためにダブルワークで夜勤専従をしている人もいました。
何らかの事情で日中の仕事が難しい人や、効率よく働きたい場合には、夜勤専従という働き方も検討してみるのもよいでしょう。

コメント一覧

この記事へのコメントはありません。

コメントする